検査と診断
初期流産の診断には、超音波検査が欠かせません。流産は妊娠の継続が絶たれた状態なので、子宮内には生存している胎芽を認めません。 順調な妊娠7週以降なら、必ず超音波検査で心拍が確認できるので、7週以降で心拍を認めなければ流産です。また、胎嚢(たいのう)が認められれば確実に妊娠4週以降ですから、それから3週を過ぎても心拍がみられなければ流産です。 成長して心拍が現れてくるのかどうか、2〜3週間経過を観察することがあります。もっと早い時期では、心拍はみられなくても当然ですが、子宮内の胎芽が入る胎嚢と呼ばれる袋は、必ず少しずつ成長するので、その成長がなければ流産です。 流産と診断できるもののうち、症状がない状態を稽留流産(けいりゅうりゅうざん)といいます。超音波検査を行わなくても、多めの出血とともに胎嚢が子宮から排出されれば、流産(進行流産)の診断は容易です。
治療の方法
稽留流産や進行流産と診断された時は、子宮内容を取り除く処置(麻酔・手術)を受けます。自然に子宮内容が排出されてしまっても、一部が残ることがある(不全流産)からです。通常は1〜2日の入院となります。 ただし、胎嚢が見えないくらい初期の流産や、胎嚢が1〜2cmより小さい場合は、完全流産となって処置が不要なこともあります。
流産に気づいたらどうする
帯下(たいげ)(おりもの)に混じる程度の出血、少量の茶色の帯下は経過をみて、次回の受診時に医師に告げましょう。月経くらいの出血がある場合は、病院に相談しましょう。受診しても胎児が発育していくか流産となるかの結果は変わりませんが状況は確認できます。 出血があれば、激しい運動は避けたほうがよいでしょう。しかし、安静にすれば流産を防げるというわけではありません。 流産後は1〜2カ月で月経が再開し、3カ月ほどで再び妊娠してもかまいません。次回も流産する可能性は同率で、高くなることはありません。
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