外陰癌の診断では、皮膚の病変部分の生検が行われます。ただの感染症や炎症によるものか、生検によって皮膚病変が癌であるかを判定できます。また、癌であればその種類も特定できるため、治療計画を立てる上で役立ちます。場合によってはただれの部分を染色し、生検用サンプルの採取位置を決めます。腟拡大鏡検査といって、顕微鏡に似た双眼の拡大鏡を使って外陰部表面を観察することもあります。
外陰部にみられる赤色、茶色、白色の斑点は前癌病変と呼ばれ、その部分から癌が生じる可能性が高いことを示しています。外陰癌は通常はなかなか治らない平らな赤いただれとして、あるいは、異常なしこりとして現れます。皮膚がうろこ状になったり、その部分だけ皮膚の脱色が起こることもあります。
周囲の組織に引きつれや、しわが生じることもあります。外陰癌では不快感はあまりありませんが、かゆみがあります。やがて、ただれやしこりの部分から出血したり、水っぽいおりものが出るようになります。このような症状があれば、ただちに診察を受ける必要があります。外陰癌の女性の約5人に1人は、少なくとも初期には症状がありません。