自然治癒力を高めましょう!
今から1500年前のお話ですが、医学の父とされるヒポクラテスは「病を治すのは自然である。自然は不調和を回復させようとする力を人体に与えており、これを自然治癒力という。これを助けるのが医術であり、治療の根本方法である」と説いたとされています。 これは現代に至っても全く変わることのない医術の真髄であると思いますし中医学にも通じる考え方です。 ですが現代医学と言うものをみてみるとどうでしょうか?抗生剤やステロイド薬、抗アレルギー薬などで症状を抑えるものが治療法として中心になっているような気がします。また、患者さんもそれを飲んでいれば病気が治ると考え、飲み続けられているという現状。 確かにステロイドなどのお薬の必要性はありますし、急性の症状や重度の症状には活躍するお薬であることは間違いありません。ただ、その使用量や使用期間が漫然と増えたり、長期化している現状は否めません。病気から身を守り、健康な状態を維持しようとする体本来の仕組みのことを「生態防御反応」と言いますが、こういった薬の乱用はこの生態防御反応を狂わせる可能性があります。 病気と言うものは本来「治るのが当たり前」のものであるという事を第一に考え、人間が本来持っている自然治癒力を高めるために中成薬や自然薬を積極的に取り入れていく方法をお勧めしております。 一般的に体の調子を整えるものとして皆さんの頭に浮かぶのは「免疫力」という言葉かもしれませんが、人体にはこの他にも様々な防御機構が備わっています。例えば皮膚や粘膜、腸内細菌なども外部からの刺激(ウイルスや花粉など)の侵入をブロックする重要なバリアの役割を担っています。このように、命を守るシステムを包括的に考えて、その能力を向上させていくことが広い意味での健康づくりへとつながっていくと考えております。
いつまでたっても慢性疾患に改善の兆しが見られない、増え続ける多くの薬をこれ以上飲みたくない、延々と飲み続けている現在の薬に疑問や不安があるという方は非常に多いと思います。失うことは簡単でも取り戻すのは難しいのが自然治癒力。ですが生物が健康に暮らしていくために必要不可欠なものでもあります。
自然治癒力を高める食事
体を元気にして自然治癒力を高めるには,元気のあるものを食べることが大切です。元気のある食べ物とは,旬の新鮮な野菜や海産物,米,雑穀,豆,胡麻などの種子類,また微生物が長い時間をかけて作り上げる発酵食品などが挙げられます。ビタミンやミネラルが豊富で,強い生命力を持っています。一方,砂糖や油などをふんだんに含む高カロリーのものは即効的なエネルギーにはなりますが,ミネラルやビタミンの消耗が激しくなったり,アレルギー体質の原因になるといわれています。 日本は四季が明瞭で緑と水の豊かな国です。稲や多くの野菜は日本原産ではありませんが,昔に隣国から伝えられ,日本の気候風土にあったものが定着し,自生する山菜や海産物とともに和食を支えています。このように考えますと,まさに太陽と地球の恵みのもと,命をいただきながら,自らの命を育んでいることを痛感します。 最後におすすめしたいのがよく噛むことです。噛むことには消化吸収の面だけでなく様々な健康効果が報告されていますので,機会を改めてご紹介したいと思います。1口30回以上噛むことを心がけてみて下さい。 |