血管性勃起障害の場合にはその改善手術が行われる。陰茎への血液流入量が不足している動脈性勃起障害の場合は流入量を増加させ、流入量が充分にも関わらず満足な勃起が得られない場合は静脈の結紮や塞栓などで流出量を減少させることになる。動脈硬化症などでは、人工血管置換術やバイパス手術などで、その回復が試みられる。
陰茎海綿体にシリコンの心棒(陰茎プロステーシス)を埋め込む術式もあり、1966年にBeheriによって報告された。アメリカ合衆国のみならず、1997年頃には日本でも普及が見られている。機構が陰茎内に収まる固定式のもの(ノンインスレターブル、NIPP)[注 8]ならず、シリンダー状の構造を持ち、必要時にのみ勃起状態に移行できる膨張式(インスレターブル、IPP)のものもある。この場合はシリンダーを駆動する液体やポンプは下腹部に埋め込まれる。有効率は95%程度とされ、固定式のものであれば、場合によっては日帰りでの手術も可能である。性交は4 - 6週間後から可能であるが、2ヵ月後からとする資料もある。ただしいずれのものも手術によって体内に異物を挿入することに伴うリスクが発生する上、その挿入によって陰茎海綿体が破壊されるため、他の治療に移行する余地は少ない。従って最後の手段と言ってもよく、施術に際しては慎重な検討が必要とされる。また何らかの原因で再手術が必要とされるケースは5.1% - 8.8%程度である。 |